例によって進捗だめですのコーナーです。でもなんか間に合う気がします。というか間に合わせるという選択肢しかない。
そして例によって、書いてる報告の、推敲前チラ見せです。まっとうな文字書きはやりません。多分。
フェチをたくさん詰め込んでいるので楽しいです。
あと今日はサクカと店舗外観を作ったので偉い。今日はあと3時くらいまでやって寝て3〜4時間寝たら起きます。
ということで、火葬場再会百合(百合なのか?)(百合と思えば百合だ)(ガラスの仮面は至高の百合作品)、こんな雰囲気ですのコーナー。
ああ、あの甘ったるい声じゃなかったから、先程は気付かなかったのだ。今は尾原という姓に変わっていたのか。笹川啓子の精神は一気に、田中啓子へと引き戻された。中学生の頃の思い出ともに。そうなると、どうしても顔を見て確かめたかった。ヒールの低いパンプスを履いた足を一歩踏み出す。外反母趾の形に歪んでいるパンプス。流行りの形のローファーを買ってもらえなかったあの頃の啓子の靴も、同じように歪んでいた。トイレの床の灰色のタイルが、緑色のリノリウムの床に変わる。今歩いているのは田中啓子。そして、目の前に現れるのは、
「鷹藤さん」
尾原の娘だけが振り向いた。鏡に向かっていた鷹藤真理奈は、どうせマスクで隠れるであろう口紅を丁寧にティッシュで抑えているところだった。真理奈は振り向くことはせず、鏡越しに啓子と目を合わせた。こうして学校のトイレでよく髪の毛を直したり、リップを塗り直している真理奈と啓子はよく鉢合わせた。悠々と手洗い台を一つ占拠する真理奈を横目に、わけも分からず苛立って勢いよく水を出したら、自分のスカートだけが濃い色に濡れたこともある。真理奈は香水の香りのするハンカチを貸してくれた。それを返すために洗濯するのに、母に見つかるのが恥ずかしくて夜中に手洗いをして、自室のカーテンレールに干した。アイロンもあてられずにしわだらけになったハンカチを返すことがどうしても出来なくて、結局ずっと机の鍵付きの引き出しにしまわれたままだった。
真理奈は啓子の顔をじっと見つめて、それから鏡の中の自分の前髪を一度気にした。
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