ばらばらと本文を書き始めています。
書きたいエピソードからがんがん書いて、あとで直したり入れ替えたりと修正するスタイルです。なのでまず今はひたすらに打つ、打つ、打つだけ。
自分へのケツ叩きのためにちらりします。本当に一部のちらり。だってそんな、推敲前の文章なんて、出すモノじゃないかもしれないし。
↓こんな雰囲気なので、たぶん人を選ぶのです。需要は私にある。
ピンヒールが目に入った。
それで、啓子は自分がうつむいて歩いていたのだと気が付いた。
視線をあげると、モデルのように喪服を着こなした女性の後姿があった。膝上丈の、タイトなワンピースタイプの喪服で、短めのジャケットから覗くウエストはきちんとくびれていた。きちんと、としか言いようがないと啓子は思う。火葬場の待合室の並ぶ廊下、吹き抜けの階段の明るさがよそよそしい。そのつやつやと光る手すりを睨みながら啓子は階段を昇ってこのフロアに至った。
この人があのぴかぴかの階段を昇った時、きっと結婚式場の下見にでも来たような足どりだったんじゃないかしら、と思う。だって、あんなにきれいに明るい髪をまとめて、全身完璧すぎる装いでいるのだもの、と。
0コメント